ジャパニーズ?と声をかけられなくなった
イスタンブール エジプシャン・バザールのランプ屋さん
2018年7月、約20年ぶりにバックパックを背負ってトルコに行ってきました。20年前、まだ学生だった僕は2ヶ月かけて中東をぶらぶらと歩いたんですが、その時以来のトルコです。
エジプトには7年程前に行っているので、中東には7年ぶりと言っていいかもしれません。
その時の記憶を思い出すと、とにかく(特にトルコとエジプトでは)、僕の顔を見ると「ハイ! ジャパニーズ?」と、おっさんやにーちゃんが寄ってきたものです。アジア人=日本人だったわけです。
必死で覚えたであろう日本で流行っている言葉、その時はNECのパソコンのCM「バザールでござーる」が流行っていて、バザールやスーク(商店街みたいなとこ)のおっさんが「バザールでござーる」と言って近づいて来たのはいい思い出です。まぁ、とにかくウザかったのも事実です。
イスタンブール エジプシャン・バザール
中東の人は構いたがりの性格もあって、とにかく声をかけてきます。今回のトルコ旅行でも頻繁に声をかけられました。
しかし、「ジャパニーズ?」と声をかけらたことはほとんどなかったです。
だいたい「チャイニーズ?」と声をかけられ、中国語でいろいろと話しかけてきます。おそらくかつての「バザールでござーる」的なフレーズも入っているんでしょう。中国語わかりませんが。
無視していると「コリアン?」となります。そして、その次に「ジャパニーズ?」・・と続くことはなかったです。
これが何を意味しているか。当然好き嫌いの問題ではありません。
商売をしている人が声をかけるということは、それだけお金になる繋がるということ。逆に声をかけないということは、商売人から見ると声をかけるだけの価値がないということ。
かつての日本人の位置に中国人がいるという事実を目の当たりにして、中国の国際社会におけるプレゼンスの向上を実感したわけです。
日本人が来なくなったか、もしくは、日本人以上に中国人や韓国人が多く来るようなったかのどちらかはわかりません。少子高齢化が進む日本で、行動力のある若者が減っているわけですから、この両方の可能性が高いのでしょう。
そう思うととても残念な気持ちになります。
日本の若者もっと外に飛び出せよ!とおっさんになった僕はじれったく思うわけです。
しかし、もう一つ、別の可能性があります。
ヨーロピアンにはこんな声がけはされないという事実があります。例えば「アメリカン?」「ジャーマニー?」みたいな呼びかけは聞いたことがありません。
海外で極端に財布の紐が緩んだり、そもそも買い物目当てで旅行に来る欧米人は少ないため、商売人も声をかけるようなことはしません。キャッチセールスのように野蛮な声掛けをせず、紳士に接した方が客になることを知っているからです。
ということは、日本人の観光スタイルが成熟し、ゆとりをもって文化や歴史、自然景観を体験するスタイルに変わってきた可能性があります。店のおっさんがいくら呼び込んでもそもそも「モノを買うつもりがない」なら、相手にするのは無駄ですから。
だから、「ジャパニーズ?」と声をかけられなくなったわけです。
そんなことをつらつらと思いながら、バザールを散策してきたわけですが、残念でもあり、無駄におっさんが寄ってこないのでウザくなかったのはよかったです。
ちなみに、旅の途中から、「チャイニーズ」と声をかけれれたら「ジャパニーズ!」と存在をアピールするようにしたところ、「OH! ジャパニーズ!」と意外そうに反応する人が多く、それがまた寂しく感じました。
海外旅行によく行く方、住んでいる方から見るとどうなんでしょうか?